フライフィッシングの毛鉤をご覧になられたことはありますか?大小様々で、色もたくさん使われていて、なんとも美しいですよね。これに比べて、テンカラ釣りでは毛鉤にこだわらない、として実にシンプルです。華やかさに欠けるともいえるかもしれません。題名の通り、テンカラ釣りの毛鉤は1種類あれば釣りができます。ここでは、毛鉤が1種類でOKな理由を見ていきたいと思います。

釣りをするフィールド

テンカラ釣りの毛鉤がシンプル、かつ種類も少なくてよいとする理由として、フライフィッシングが発展してきた欧米の緩やか河川と比較して、日本の渓流域の流れの複雑さ、速さがあげられます。確かに日本の渓流域では大きな石や岩、地形の変化が多く、それによって流れが複雑に絡み合って一つの川になっています。
こういった渓相では、魚が餌を捕食する際に形や色を選んでいると、エサが先に流れてしまい捕食できなくなってしまう。このため、魚はおおまかに自分が狙っている餌と同じようなものはくわえてくれる。というものです。

私の経験上でも、この解釈は間違っていません。しかし、管理釣り場での釣りをメインにお考えの場合や、人が頻繁に出入りするような人気スポットである場合、本流域の比較的緩やかなポイントで釣りをされる場合には、ルアーローテーションと言われるような、毛鉤の変化によって活性が変わるような状況もあるかもしれません。こういった場合で魚が釣れない場合には、何種類かの毛鉤を用意するなどの工夫は必要かもしれません。
私の場合はごく一般的ないわゆる渓流、源流域での釣りがメインなので、毛鉤は1種類で十分です。






色について

マス類は色を見分けることができると言われています。私は渓流でのルアー釣りもやりますが、管理釣り場で釣りをしていると、ルアーを変えた瞬間に食いがよくなったり、またその日その時間は一つの色にしか反応しないといったことがよくあります。人間と同じように色が見えているわけではなく、色の濃淡や光が反射してキラキラ光る様子などは判別ができているものと思われます。私の経験上ですが、ピンク色、オレンジ色、赤色、金色などは特に好む色なのではないかと考えています。
このようにマス類は色を見分ける能力はあるものと思われますが、果たしてテンカラ釣りで使用する毛鉤の色を変える必要があるのか・・・というと、私はそうは考えません。日本の渓流域の特徴である流れの複雑さ、速さなどから、やはり色について判別しているようには思えない事実があります。
魚を釣った後、魚が何を食べているかを確認したりしますが、その際、餌となる虫以外にも、小さな石や葉っぱなどが入っていることがあります。







形について

フライフィッシングにおいては、虫の羽をかたどったもの、尻尾をかたどったものなど、様々なタイプのものがあります。一方テンカラ釣りの毛鉤はハックルの角度の違いで、順毛鉤、逆さ毛鉤といくつかパターンはありますが、その形はフライと比べるまでもありません。上述のように、日本独特の渓相も手伝って、形にこだわる必要性がなかったといえるでしょう。

大きさについて

毛鉤の大きさとは魚から見て、それが大きなエサか小さなエサかということです。大きさに関して言うと、多くの先輩方はなかなか食わないときは、サイズを落とすと食うことがあるということです。つまり、魚が食べている餌よりも大きな毛鉤では魚がゴミか何かと認識して、反応しないことがあるということです。

確かにそういうこともあるかもしれませんが、私の経験上では、よほど大きくない限りは問題ないと考えています。私はフライフックのサイズで12番サイズを使いますが、その大きさで特別食いが悪いとは感じません。一時期、16番という小さな毛鉤を持ち歩いていたこともありましたが、サイズを小さくすると、釣れてもリリースしなければならないほど小さな魚がよくかかるようになりますが、それは私の求めるものではなかったので、結局は12番のみを使用するにいたりました。







テンカラ釣りの良さを活かす

ここまでは、主に日本渓流の流れの速さを理由に、毛鉤が1種類でよいことを述べてきました。これは、一般的にも言われていることです。もう一つ私が考えている理由を違った視点から考えてみたいと思います。
テンカラ釣りは、職漁師の釣りと言われます。無駄を省いて効率的に魚をかけていく釣りともいえます。道具のシンプルさから、とても手返しがよく、次々にポイントを変えながら釣り進んでいく様は、他の釣りにはない特徴といえます。
私がテンカラ釣りに抱くものとして、よりシンプルでありたいと考えています。毛鉤も手だけで巻くので、複雑なものは作れません。だからといって、色々なものを買い足すのではなく、あるものを使って、いかに魚を釣るかということを工夫することが、テンカラ釣りの楽しみ方ではないかと考えています。
といっても、今の時代、本当に便利なものが多く、随分と楽をしています。そんな中でも、竿・糸・毛鉤というシンプルさは貫き、どのようにして魚を引き出すかという楽しみ方を、今後もやっていきたいと思っています。

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