現在では、一般的となったテンカラ釣りです。ここでは、テンカラ釣りの歴史や現代の流行などについてみていこうと思います。

テンカラ釣りの語源

テンカラ釣りの「テンカラ」、どういう意味かご存知でしょうか。実は、テンカラということばの語源や意味などについては、さまざまな説が唱えられていますが、それを示す文献などは残されていないようです。
いわゆる、現代流行しているテンカラ釣りという言葉が一般に知られるようになったのは、昭和後期に入ってからのことだそうですが、その語源の成り立ちなどについては謎に包まれています

テンカラ釣りという言葉が記録に残っていないのは、文字として残す術を持たなかった人が、親子や仲間などの間で口伝するような形で受け継がれてきたものなのかもしれません。
人から人へ語り継がれ、通称としては様々な呼び名で各地に広がっていったものが、ある時(昭和後期)、一つの言葉「テンカラ」として多く紹介され、それが定着したのでしょう。
名前の由来が謎に包まれてはいますが、その時代の人々が生きていく中で培ってきた魚釣りの技法です。日本人として、このテンカラ釣りに触れられることは、古の人々の知恵に触れるようで、ロマンを感じます







職漁師の釣り

テンカラ釣りは、職漁師の釣りといわれます。つまり、川魚を釣って生計を立てていた人の釣りということです。
これはどういう事かというと、少ない労力でいかにたくさんの魚を釣るかということを考えた釣り方であるといえます。現代では、趣味・娯楽の一つとして流行しているテンカラ釣りですが、その成り立ちは一つの仕事として発展したといえます。
古くは、川の上流域にいけば、たくさんの渓流魚がいて、イワナを釣るのは大根を抜くようなものと言われたほどだそうです。このような環境でないと、本物のえさを使わずに、疑似餌を使った釣りを選択することは、難しいでしょう。わざわざ、餌を調達しなくても、一定数を確保できるほど魚影が濃い環境で発達してきたのではないかと考えられます。餌を調達することは、釣りをして魚を調達するうえで大きな労力ですから、職漁師が疑似餌を選択するのは当然のことです。

一々餌を付け替えたりせずに、1本の毛鉤を次々に投げながら魚をかけていく、かつては、このように効率的な釣りとして受け継がれてきたものが、現代ではそのシンプルさが注目され、流行しています。







ゲーム性、スポーツ性

渓流釣りにおいて、より確実に魚を釣ろうとすると、やはり餌釣りを選択することになるのではないでしょうか。食べられる本物の餌にかなうものはありません。では、現代なぜテンカラ釣りが流行しているのか、それは釣りのゲーム性・スポーツ性というキーワードが関係しているように感じます。
ゲームフィッシング、スポーツフィッシングというと、ルアーフィッシングがイメージされますが、テンカラ釣りでも毛鉤という疑似餌を使って、魚をだまして釣るという点で、ゲーム性・スポーツ性があるといえます。さらに、テンカラ釣りがおもしろいのは、毛鉤を自分で巻く、という点ではないかと思います。必ずしも自分で巻く必要はありませんが、自分の手で作った毛鉤で魚が釣れてしまう、これはこの上ない高揚感が得られます。食料調達を目的とした釣りというよりは、釣り味そのものを楽しめる釣りであるといえます。